小児片頭痛

小学生、中学生の頭痛は、結構学業に支障をきたします。朝起きた時から頭痛があり、学校を遅刻したり、休んだりします。学校では、窓際の明るい席を嫌がったり、晴天の日の体育の時間を嫌がることもあります。頭痛だけでなく、光が過敏であったり、音が過敏であったり、フワフワめまいを訴えたりします。頭痛でお困りの子供さんの多くは、夜10時以降に寝ており、就寝時刻が遅い特徴があります。 多くの場合、9時就寝にするだけで頭痛の軽減がみられます。天井照明を切り、スタンド照明に換えるだけでも頭痛は軽減します。

 

保護者は

 ・頭痛の原因は、体質遺伝と遅寝にあることを理解してください。

 ・子供の年齢ごとの必要睡眠時間をご存知ですか?

 ・9時就寝、6時起床、9時間睡眠を目標としてください。

 ・子供だけでなく、家族全員が早寝習慣に努めてください。

 ・脳は睡眠中に記憶の整理と学習をしていることをご存知ですか?

 ・成績の良い子は、早寝し、9時間睡眠を摂っています。

 

生活環境の改善

 ・怖いほど減った子供の睡眠時間

 ・不必要に明るい子ども部屋

 ・家族の協力はとても大切です。

 ・幼稚園児までは8時消灯

  小学生は9時消灯

  中学生は10時消灯

 

治療 

実際に外来診療で使用している小児片頭痛の説明パンフレット(PDF)

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【参考資料】

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症例紹介

症例1:学校生活が困難になった14歳

男子中学生小学生の頃から、耳の聞こえが悪くなり、中学生になった頃から頭痛が始まりました。学校の人間関係の関係で、学校に行けなくなり、さらに頭痛がひどく、十分な睡眠がとれなくなりました。最近は、毎日頭痛があり、フワフワめまいも出てきたため、明神館クリニックを受診しました。睡眠時間は、23時に布団に入り、4~6時間程度。寝付きが悪く、夜中に目が覚めます。寝相が悪く、怖い夢を見ます。寝る前は、いつもパソコンで動画を見ながら寝ています。大田先生から、「視力、聴力に症状が出てきています。あなたは、明神館始まって以来の大ものです。脳は疲労困ぱいしています、勉強どころではありません。睡眠不足の上に、睡眠中に頭痛発作を起こし、睡眠の質が悪くなっています。今あなたは間違った生活をしています。寝なければどうにもなりません、逆に言えば、寝れば症状は治まります。身体、心の成長で今が一番大切な時期です。このままでは、失うものが大きすぎますよ。」と言われ、詳しい説明を受け、2種類の予防薬をもらいました。受診後、早く寝るように努力し、ひどい頭痛は起きなくなっています。今は、学校の人間関係も改善し、登校できており、修学旅行を楽しみにしています。睡眠の大切さを教えてもらいました。

 

症例2:頭痛、日中の眠気で困っていた16歳 

男子高校生中学生の頃から頭痛がありましたが、特に痛み止めを飲むほどではありませんでした。高校生になり、少し疲れ気味、一旦仮眠をとり、夜中に課題をするという生活、睡眠時間は1~7時の6時間程度、熟眠感がなく、日中に眠気があるため、授業中に寝てしまい、先生から注意を受けるようになりました。体は、いつも疲れていました。この度、いつもの頭痛よりも痛みが強く、頭痛薬を飲んでも効果がないため、明神館クリニック大田先生を受診しました。頭痛は、時に起床時からあり、フワフワすることもありました。先生より、昼間眠たいのは、睡眠中に頭痛発作を起こし、睡眠の質が悪くなっているからであること、早寝し、しっかり睡眠をとれば、成績は向上し、心も体も成長することなどをうかがいました。規則正しい生活を送ること、それに少量のお薬を内服することで、症状は軽快すると言われました。お薬を飲み始めて2週間、頭痛、めまいは治まり、学校にも行けるようになりました。先生の言葉を信じて、10時には布団に入るよう、努力しています。

 

症例3:照明を暗くしたら頭痛が激減した4歳の女の子

夜泣きが治まってほっとした3歳位から、頭に手を当てて難しい顔をするようになりました。4歳頃から頭が痛いと訴えるようになりました。大田先生の指導を受け、夫の協力を得て、20時になるとすべての天井照明を消しました。子供部屋は足元を照らす豆電球だけ、自分たちの部屋はスタンド照明だけ、夫は好きなテレビも止めてくれました。娘はぐっすり10~11時間眠るようになりました。頭痛は言わなくなり、顔元は元気になり、動作も活発になりました。天井照明やテレビがこんなに悪いことを初めて知りました。おかげで、親まで元気になりました。ありがとうございました。

 

症例4:太陽が眩しくて登校できなくなっていた15歳男の子 

母親からの聞き取り大田先生から、生活環境の是正指導を受け、反省する点が多々ありました。不登校児と思っていましたが、先生から学校へ行く意欲はあるのだから、俗にいう不登校ではない。光過敏症のために学校に行けなくなっている。その理由は、慢性の睡眠不足により脳が疲れ、頭痛や光過敏を訴えているのですと言われました。 受診後すぐ、明るいところだけサングラスになる、光過敏用のサングラスを作ってもらいました。サングラスになってから頭痛を訴えなくなりました。薬は全く飲んでいません。飲ませたくないのと、必要ないので、サングラスでよくなったから、このまま様子を見たいと思っています。睡眠に関しては、今は試験期間中でゲームはしていませんが、まだ早くは寝ていない様子です。できるだけ22時を目標に就寝させたいと思っています。学校へ意見書を書いて下さったのもとても嬉しく、感謝しております。子供が元気で毎日学校に行くようになり、ありがとうございました。

 

症例5:母親の頭痛遺伝子を受け継いだ9歳女の子  

母親からの聞き取り小学校に入った頃から数ヶ月1回程度頭痛を訴え始めました。特に生活に支障はありませんでしたが、段々と腹痛と頭痛が増えてきて、学校を休むこともあります。友人とのトラブルがあり、その関係か特に頭痛の頻度が増えました。トラブルは解消しましたが、頭痛が続くため、明神館受診しました。大田先生から、私(母)からもらった遺伝性の頭痛であること、一番の治療は睡眠であること、部屋の照明を暗めにすること、家族が協力し21時にはテレビを消すこと、ストレスを溜めないことを指導していただきました。粉薬は飲めるかと聞かれ、飲めますと答えました。先生は、粉薬だと自分で量が調整できるから粉にさせてもらいたい、頭痛の程度で自己調整してみて下さいと言われました。薬を飲み出して、頭痛は軽くなっています。ありがとうございました。症例6:大学に無事合格した18歳女の子 小学生の頃から光が眩しくて、週末になると頭痛が起きていました。高校生になった頃から症状がさらにひどくなり、首こりやフワフワめまいが出てきて、音も苦手になってきました。市販薬を内服しても効果がなく、学校で嘔吐することもありました。生理痛もひどく、保健室に行くことがよくありました。頭痛をなんとかしたくて明神館を受診しました。大田先生からお薬を処方され4週間内服したら、吐くような頭痛がなくなり保健室に行かなくなりました。鉄欠乏性貧血や便秘も治療してもらい、調子が良くなって、大学受験をして希望の学校に合格しました。今1人暮らしを始め、目標に向かって頑張っています。ありがとうございました。