就寝前のスマホ(ブルーライト)は脳の猛毒
なぜ空は青いの、なぜ海は青いの
短波のブルーライトはエネルギーが強く、
散乱することなく脳に到達し ⇒脳が興奮
スマホ のブルーライトは脳の猛毒
就寝前のスマホの害 ⇒熟眠感の不足 ⇒朝なかなか起きられない
睡眠の大切な意味 成長・学習・体力
睡眠中の大切な仕事は、①昼間の活動で疲れた脳とサビた体の修復作業、②昼間の学習内容を整理整頓し記憶にする作業の二つです。疲れを取り、サビ落としするホルモンは成長ホルモンとメラトニンホルモンです。この二つのホルモンは午後10時から急上昇し翌日の午前3時に急降下します。午後10時~午前3時をゴールデンタイム黄金睡眠と言います。
親子でルールを決め、対話を重ね、
上手に見守り、親子のコミュニケーションを大切に
小学生のスマホ被害は年々深刻化しています。遅寝による学力体力の低下が目立ちます。大切な子供を守るためにスマホについての親の知識を高めて下さい。
● キッズ携帯、子供向けスマホはおすすめ
キッズ携帯は大手携帯電話会社が販売する子供向けの携帯電話です。通話の相手先は登録済みの相手に限られアプリのインストールはできません。このタイプは小学生用の緊急時連絡に便利です。衛星利用測位システムGPS機能付きは子供の居場所を把握できます。子供向けスマホにはLINEは○時から○時までなどアプリごとに利用時間を制限する機能が付いています。
● 大人用スマホは危険
大人と同様のスマホを持たせる場合は、携帯電話会社が設定する有害サイトの閲覧制限であるフィルタリング機能を付けることができます。また、端末がアイフォンの場合は基本ソフトがiOS12であれば使用時間や機能を制限することができます。アンドロイド端末の場合はペアレンタルコントロール機能のあるGoogleファミリーリンクを使って使用制限できます。ただし最近は制限できないアプリが増えているし、子どもが親のパスワードを割り出して設定を変える可能性もあります。要するに、大人のスマホを持たせるのはリスクが高すぎます。
対応策
● 小学校教育の間は・・スマホは多機能でどこへでも持ち運べる便利さのため依存性が強すぎます。要は、持たせないのが一番賢明な方法です。しかしスマホを持たせないと友達はゲームや動画を自由に楽しんでいるのにうちはなぜダメなの・・と子どもは不満を募らせます。平素から子どもとの対話を怠らないように注意し、早い時期から勉強に家庭用のパソコンや電子辞書を使う習慣を付けさせることが大切です。どうしても友達とLINEをしたい、でないとノケにされると訴える場合はその時間だけ親のスマホを使わせ、子どもにスマホを持たせないなど賢明な対応が求められます。
● 親子でルール作り:親子でよく相談しルールを決めておくことが大切です。場所 ⇒ 家族共通の空間キッチンや居間だけで使う。トイレや自室に持ち込まない。会員制交流サイトSNSを使って知らない人とやり取りしない。 有料のゲームやアプリは親の了解の下におこづかいの範囲内で使う。時間 ⇒ 10時までの就寝を決める。スマホの使用は○時間以内。
● 中高校生対策:小学生までは親子の会話を重ね、子どもをスマホから守ることは可能です。ところが中高校生になると親子の対話は難しくなり子どものスマホ依存症は急増します。特にオンラインゲームは現実では得にくいチームワークを体験できたり、学校や家庭に比べ遥かに自由な魅力溢れる世界に遊べます。厚生労働省研究班の推計によると、オンラインゲームなどやりすぎるインターネット依存の疑われる中高校生は2017年度全国約93万人にのぼり、年10万人ペースで増加傾向にあると考えられています。一旦拡散すると消去できないSNS被害の増加、オンラインゲーム、LINE依存、インスタグラムDMなど電話番号不要な時代に入っており、睡眠不足、手足の細い虚弱生徒、学力・視力の低下、コミュニケーション障害などネット被害は年々増加しています。すでに親だけの対応では限界がきており社会全体の対応が求められています。
● 社会に出て:スマホで育った子どもたちは社会に巣立ってから社内社外におけるコミュニケーションに戸惑うことが多いようです。目立つのは電話苦手現象です。電話に出たがらない、留守電を聞いてからかけ直す、メールで済ませたがる、ミーティングでの発言を嫌がるなど職場への適応に時間がかかり、転職を繰り返す場合もあります。昔と異なり海外への渡航を嫌がる、ツアーでないと国外に出れないなど、内向き思考の弊害が目立っています。国境のないグローバル社会が到来しているにも関わらず、孤立を深める日本の若者を憂う声が増えています。
まとめ 寝る子は育つ
急速に発展、進化するネット社会から子どもを守るのは至難の時代となりました。だからと言って諦めるのではなくネット被害についての情報に関心を持ち、子どもと情報を共有することが大切です。自分たちが産んで育てた子ども、何事も親は知らなかったでは済みません。新たな問題として、最近は子どもより親のスマホ依存が増えており、子育て放棄、家庭放棄、離婚の増加など子どもにとって過酷な時代と言われています。子どもは国の宝です。21世紀は社会全体、地域ぐるみで子育てをする時代と言われています。ヨーロッパではこの考え方が広がっています。日本の子育て支援も待ったなしの時代を迎えています。
一般財団法人 渋谷長寿健康財団研究員 医学博士 大田浩右