関節痛とめまい、頭痛で生活に支障を来たしていた50代男性

私は持病としてSAPHO症候群という自己免疫疾患があり、常に体のどこかの関節に痛みがあり、まれに関節発作で激痛に襲われます。また、20歳の頃からアレルギー性鼻炎を発症しており、秋のブタクサ、ハウスダストが原因とわかっています。…

関節痛は32歳の時にオートバイで転倒して両膝を強打したのがきっかけで膝の痛みから数年後には徐々に全身の関節に痛みが広がり、関節発作で激痛を起こすようになりました。関節発作は全身の関節のどこでも発症し、特に膝、肩、肩甲骨、背骨等の大きな関節に発作を起こすと過呼吸を起こすほどの激痛に襲われます。

 

この関節痛は福山の病院はほぼ回りましたが原因が分からず、川崎医科大学附属病院で検査と対処療法を継続して診断が確定するまで8年ほどかかりました。受診当時はSAPHO症候群はまだ一般的な病名ではありませんでしたので、仕方がないことだと思っています。

 

病名はSAPHO症候群ですがこれは膠原病の中にあるリウマチ等のグループとは別の,その他のグループに属するもので、その他の中でも、またその他の強直性脊椎炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎と脊椎性関節炎の療法を持っていると診断されています。関節炎の治療は対処療法の投薬にとめて、バイオ製剤等は使用していません。投薬はロキソニンとモービックの併用で、急性期はロキソニン、痛み始めはモービックを飲むように使い分けていました。発症時間は寝起きが多く、関節発作の多くは朝起床時に激痛とともに始まるので、ロキソニンでは治まらず座薬の併用、または川崎医大までステロイド注射を打ちに行くことがありました。 

  

これらの消炎鎮痛剤の服用は3日に1回程度なのですが、20年以上服用しています。20年にわたるロキソニン投薬の影響で近年は血液検査の腎臓数値(eGFR)が50~60となり、他の病院受診時に2回指摘されました。川崎医大に相談して原因は消炎鎮痛剤のため、薬をロキソニンから腎臓に影響のないトラムセットに変えています。また20年にわたるロキソニン投薬の影響で下痢をするようになりました。急な下痢ではトイレに間に合わず便失禁します。

 

また、過去には左股関節炎で慢性的に激痛となり日本鋼管福山病院整形外科に2週間安静入院しましたが改善しないため川崎医大へ転院受診し、ステロイドパルス療法を1回、ステロイド剤と免疫抑制剤の併用を8ヶ月服用しました。その間は寝たきり、両松葉杖、片松葉杖、歩行可能と徐々に回復しました。

現在は明神館クリニックを2ヶ月ごとに受診、川崎医大リウマチ膠原病科を6ヶ月毎に受診しています。

 

明神館クリニックを受診して数年経ちますが、脳過敏症薬の処方でめまい、頭痛は発症していません。また関節炎とアレルギー性鼻炎は激減しました。特に関節炎は昨年11月に前歯の差し歯の根の治療をして心棒の金属棒から露出する金属成分を遮断できたこともあって、一度も関節痛を発症していません。30歳代の痛みのない体に戻った気分で毎日全身をこわばらせていた苦痛から解放されました。

 

川崎医大の先生のお話では、脳過敏症薬が効く方も居る。SAPHO症候群は痛みが頻発したり、しばらく出なかったりするので、今後も関節炎と腎臓数値は経過観察していきますとのことです。

 

また、アレルギー性鼻炎は毎日鼻水を垂らしてティッシュを抱えた生活に慣れていましたが脳過敏症薬の処方で激減して30年ぶりに鼻くそがたまる経験に驚いています。

 

便失禁は明神館クリニックの受診とあわせて肛門科を受診、肛門括約筋の電気治療と禁酒を2ヶ月実施して長年苦しんだこの症状は改善しました。これらは全て大田先生の指導と助言による改善内容です。この度は大田先生に巡り会えて大変幸運でした。これからもよろしくお願いします。