Dr.Kosukeコラム

睡眠薬を飲むと認知症になる...本当?

この問題が、メディア、新聞、テレビ、雑誌等で広まっています。果たして睡眠薬で認知症になるのでしょうか。これについての大規模な調査は調べた限りではありませんでしたが、今から3年前にベンゾジアゼピン系に限って、フランスで70歳以上の1000人の高齢者を対象に大規模な調査が行われました。その結果は、6年程度服用した場合は、100人あたり4.8人、4.8%の人が認知症と考えられます。服用していない人でも、100人あたり3.2人、3.2%認知症が発症しており、その差はわずかと言われています。この差は、メディアが騒ぐほどの認知症発症率なのか疑問です。逆に、不眠症の方が薬を飲まない場合の方が、かえって認知症になりやすいという報告もあります。このフランスの報告は、Billoti de Gage S.etal.bmj.2012 をご覧下さい。

日常生活に支障のない短時間睡眠者・長時間睡眠者

短時間睡眠者は例えば双極性障害の躁状態の時には3時間程度の睡眠で寝不足感なくバリバリと仕事をこなします。一方10時間以上眠る長時間睡眠者で日常支障なく活動できる方がいます。アインシュタインもその一人です。日常生活に支障を来さないショートスリーパー、ロングスリーパーをICSDでは正常範囲の異型としています。